犬より先に死んじゃダメです。
我々飼い主の本当に大事な留意すべき心構えは
「犬より先に死なない事」
犬の時間はとても早く進みます。
本来であれば犬の最期を看取るのは飼い主さんの役目です。
思い描いた理想のお別れを全うするためには、飼い主さんが先に死んではいけないのです。
犬を看取らなければならない理由
どうやっても、犬の寿命というのは人間よりもとても短くて、本来、お互いに天寿を全うした場合、どうやったって犬のほうが先に旅立ってしまうのです。
それは、犬が犬である限り絶対に曲がらない事実ですし、寿命は人間より短いという事も込みで犬は犬なのです。
我々がこよなく愛している犬はそういった生き物で、だからこその愛しさなのです。
犬は犬として充分に大切な我々の一部です。
ですから犬の寿命が我々よりもずいぶん短いということも併せて、犬はとても尊く、愛しい生き物なのです。
飼い主であるあなたが、その犬を抱き上げた瞬間から、あなたには、あなたの犬を幸せにし、とことん愛する権利が与えられ、犬にはあなたの全てを愛し、天寿を全うする権利が与えられます。
その神様を介した約束が結ばれた時、あなたはあなたの犬との最期のお別れを理想のものにするための生活がはじまるのです。
犬に最高に幸せな人生だったと思ってもらうために、我々は日々を過ごさなければなりません。
そうすれば犬は我々人間に最高に幸せな人生をくれます。
家族にするために抱き上げたその瞬間から、あなたの犬は、あなたの人生の一部です。
ですから先に天寿を全うし、旅立つ犬に理想の最期を用意してあげるのはあなたの責務なのです。
犬は「どうしてか」まではわからない
犬を好きな方であれば、忠犬ハチ公をご存知でない方はほとんど居ないでしょう。
彼は何故、帰らぬ主人を待ち続けたのでしょうか。
このブログでも。再三書いて来ましたが犬には「こころ」も「感情」もありますが、「どうしてか」までは理解できません。
飼い主さんが大好きだという感情もあれば、大好きな飼い主さんの帰りを待ちたいという心もあり、再び出会えた時に嬉しいと喜ぶ気持ちもあります。
けれど、どうして飼い主さんが再び現れないのかということまでは理解できません。
ですから、飼い主さんが先立っても、ハチは飼い主さんを待ち続けたのです。
多くの犬が、そういった可能性を持っています。
飼い主さんが居なくて寂しいという気持ちはあるけれど、居ないという事実を受け止め、納得させるために必要な「どうしてか」という理由付けが、多くの犬にはできません。
ですから、飼い主さんに先立たれた犬は、寂しいという気持ちから抜け出す術を持っていないのです。
けれども我々人間は、「どうしてか」を知っています。
犬よりもひとつ、そのお別れを受け入れ、消えない寂しさを納得させる方法を持っているのです。
だから犬より先に死んではいけません。
愛しい大切なあなたの犬のために。
お世話する人が変わって、天寿を全うできたとしても、「どうして大好きな飼い主さんが帰って来ないのか」は犬には理解できないので、犬の寂しいはずーっと続くのですから。
犬の世界の全ては飼い主さんとの生活
犬の世界の全ては飼い主さんとの生活です。
あなたがその大切な犬を選んだ瞬間から、あなたの犬にはあなたしか居ません。
あなたを失った瞬間に、犬の世界は失われるのも同然です。
先日、コメディアンの志村けんさんが不幸にも急逝されました。
志村けんさんは「チロ」と「殿」というニ匹の愛犬と暮らしていました。
彼らの事を思うと、私は胸をきゅうっと掴まれたような思いになります。
彼らはどうしてパパが帰って来ないのか理解できません。
ある日突然、自分たちの全てであるパパを失ったのです。
彼らにはどうしてかが理解できないので、パパの帰りをずーっと待ち続けるのです。
犬にお留守番をしてもらっている飼い主さんならわかると思うのですが、帰宅時の犬の喜びようときたら……それを考えると、留守番の間の犬の寂しさは想像に難くありません。
彼らはずーっとお留守番をするのです。
犬より先に死んではいけない