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大切な相棒……老犬との愛しい最期のひととき

老犬のナックリングとは?老犬が足を引き摺る時の原因と対処法

老犬のナックリングとは

老犬のナックリングは介護をする上では見逃せない現象です。

急に我が家の犬が立てなくなった!

老犬が立てなくなるのは突然に感じるものです。

老犬が立てなくなる前兆はさまざまですが、その前兆を捉え、適切に処置をする事で、寝たきりになる時期を遅らせる事ができます

 

その前兆の一つがナックリングです

 

老犬である相棒の歩き方に違和感がある。

足先にタコのような擦り傷ができるようになった。

そういう状況になったら、ナックリングを疑いましょう。

ナックリングに正しく対処する事で、愛犬が寝たきりになるのをある程度予防し、遅らせる事ができるのです。

ナックリング自体も、放っておけば転倒や歩けなくなるなどの障害が起きます。

まだ日常生活的に自立しているはずの老犬が突然転倒するなどの場合はナックリングが原因の場合がありますので、よく観察してみましょう。

もしも、ナックリングだと判断できた場合は、適切に対処してあげることが必要です。
最近ではナックリングを防止するサポーターなども販売されています。

 

犬は自分の脚で歩くのが大好きです。

少しでも長く、自分の脚で、大好きな飼い主さんとお散歩が楽しめるように対応してあげる事は、飼い主さんの責務です。

もちろん、少しでもたくさん、大好きな愛犬とお散歩を楽しみたい、嬉しそうにお散歩を楽しむ愛犬といつまでもいっしょに歩きたいと思う飼い主さんもたくさんいらっしゃる事でしょう。

多くの老犬が経験するこのナックリングという状態を知り、適切に対処し、出来るだけ長く愛犬とのお散歩を楽しみましょう。

犬のナックリングとは

自分の相棒でも、他のお散歩中の犬でも、犬が足先を曲げて、足の甲を地面につけてしまっているところを見たことがありませんか?

人間で言う「グー」のカタチです。

あれがナックリングです。

 

ほとんどの場合、足の甲を地面に擦りながら歩くようなカタチです。

大変違和感のある歩き方なので多くの飼い主さんはすぐに気がつく場合が多いのですが、稀に足の甲から出血をしている犬を見かけます。

犬が痛がる様子を見せる事も少ないので、注意が必要です。

ナックリングは実は珍しい症状でもなく、ほとんどの場合は老犬に起こりますが、要因によっては若い犬でも起こることがあります。

 

よく見られる症状ですが、放っておくと歩けなくなり寝たきりになったり、最悪の場合は四肢を切断しなければならない場合も出てきます。

 

まぐろさんの場合は頻発するわけではなく、たまに足先が丸まって躓くといった具合でしたが、やはり転倒や足の甲の出血が怖かったので、対処していました。

 

早めに対処していたからか、歩ける間はナックリングを起こす頻度は少ないものでした

けれども、原因によってはたいへん重篤な状態になる事もあるので、場合によってはかかりつけの獣医さんなどで調べて貰うべきです。

老犬にナックリングが起こる原因

ナックリングが起こる原因としては二つの要因が考えられます

どちらも、要約すると足先の感覚異常です。

ナックリングという症状が頻発したら、獣医さんで調べて貰うことが大前提です。

 

ナックリングは老犬であればよく起こる症状ですが、その原因となるものとして、恐ろしい神経障害や脳の障害で症状が出る場合もあります。

散歩中、犬が躓いたら、その原因をよく観察しましょう。

 

ナックリングは、歩く時に足先の伸縮をさせる神経や筋がうまく働かなくなって起こるものです。

老化で脚を持ち上げる事がうまくいかなくなると、躓く回数も増えますが、足の甲を擦りながら歩いているようであれば注意が必要です。

ナックリングが起こっても、ほとんどの犬が痛みを感じている様子はあまりありません。
実際、足の甲から出血するほどアスファルトなどで擦っていても、全く痛がる様子の無い犬もいます。

 

ナックリングの症状が出る犬の多くは痛覚が鈍くなっている場合が多く、痛覚を刺激されて反射的に曲がった足先を戻すという動作がすっぽり抜け落ちます。

散歩中のナックリングを放置すると、摩擦によってできた傷から感染症などを起こしやすくなりますので、ナックリングを早期に発見して獣医さんに相談する事はとても大切な事です。

 

一度二度の躓きであれば、様子見をするという事で良いかもしれませんが、頻発するようであれば、獣医さんに相談し、適切な対処方法を実行してください。

 

案外、犬という生き物は大変我慢強く、勤勉な生き物です。

愛犬とできるだけ長く幸せに暮らすためには、飼い主さんのコントロールは絶対に必要です。

いずれにせよ、ナックリングは犬の足先の感覚の異常で起こる症状です。

神経の障害で起こるナックリング

ナックリングの症状が出る原因のひとつは、事故などで神経の束などが障害を受けて正しく情報伝達できない状態になっているというものです。

 

特に腕神経叢裂離という状態の尾側裂離では、上腕三頭筋に力が入らず、ナックリングの症状が出やすい状態です。

 

事故などで首や前足に外傷があった場合に、神経の束が物理的に引きちぎられて起こるものです。

足先の感覚の麻痺もみられるので、足の甲を擦って外傷を受けても、犬が痛がらない事も多く見られます。

外傷が原因なので老犬だけでなく、若い犬でもナックリングの症状が出る神経障害です。

安静にし、場合によっては外科的な治療も必要ですので、獣医さんに相談するべき症状で、ホルネル症候群なども併発する場合があります。

腕神経叢裂離とはその名の通り前足に繋がる神経なので、この場合のナックリングの症状は主に前足に出ます。

筋肉や神経の衰えや脊椎の変形で起るナックリング

直接、神経に障害がなくてもナックリングは起こります。

椎間板ヘルニアや老化、脳の伝達障害などです。

 

特にコーギーやダックスフントなど胴長短足の犬種は椎間板ヘルニアになりやすく、ナックリングを起こす可能性もあります。

ヘルニアや老化の場合は、後肢にナックリングが起こる場合が多く、歩行がかなり困難な状態になります。

同時に転倒などの二次的な事故も起こりやすいので、飼い主さんの観察力がとても大切になります。

 

老化で起こるナックリングは比較的断続的ですが、老化が進んでくると症状は重くなります。

痛覚が鈍くなるあるいはほとんど無くなるので、歩行時に足の甲を引きずってしまい、足の甲が血だらけになってしまう場合もあります。

老化でナックリングが起こる場合は、ナックリングの症状を進ませないために、適切なケアが必要になってくるでしょう。

 

適切なケアをする事で、ナックリングの症状が改善された例も数多くあります。
獣医さんの指示に従いながら、飼い主さんの生活や愛犬の生活に合った対処方法を探り実践していきましょう。

愛犬にナックリングが起こったら

繰り返しになりますが、ナックリングが起こったら、獣医さんに相談の上、愛犬と飼い主さんに合った対処方法を早めに講じる事が大切です。

飼い主さんの負担をできるだけ少なく、そして、愛犬のストレスを軽減する事が老犬介護の基本です。

 

このブログでも何度も提案して来ましたが、老犬介護において飼い主さんが追い詰められ、疲労しきってしまう事は、愛犬の生命に直接関わる問題です。

 

また、犬はいつまでも自分の脚で歩く事を望みます。

少しでもナックリングの症状を軽減し、出来るだけ長く自分の脚で歩けるように援助してあげる事が飼い主さんの責務です。

 

愛犬の足先に異常を感じたら、その理由を観察し、適切な時期に獣医さんに相談しましょう。

ナックリングの診断を受け、それが老化によるものであると判断を受けた場合、飼い主さんは、症状を軽減する対策を複数用意し、愛犬や自分の生活に合った方法を選択してください。

 

ナックリングは二次的な事故の多い症状です。

 

ナックリングそのものの対策ももちろん大切ですが、転倒や擦り傷などの二次的な事故を予防する方法もきっちりと考えていきましょう。

それもまた、いずれ来るお別れの時に後悔の材料を減らす大切な作業になります。

ナックリングは早期発見がキモ

特に老化によるナックリングは早期に発見し、適切に対応すれば、マッサージや補助器具などで改善のみられる可能性がある症状です。

 

とはいえ、躓きの増える老犬ですと、なかなか見過ごしてしまいやすい症状でもあります。
症状が進むと、頻度の低かった症状もだんだん慢性化します。

症状の特性からみても慢性化すれば歩けなくなるどころか、立つ事もままならない事は想像に難くありません。

 

慢性化させないためには、適切にケアする必要があります。

処置が遅れれば、立てなくなる時期も早まり、早くに寝たきりの状態になってしまう事もあり得るのです。

 

言ってしまえば、飼い主さんが、老化によるナックリングの症状を早くに発見し、マッサージや補助器具などによって適切に症状の改善を計画してあげれば、いつまでも自分の脚で立ち上がり、飼い主さんと共に歩くという犬の願望に答え、老犬のQOLを引き上げる事に繋がります。

 

ですから、ナックリングの症状は早期の段階で発見してあげる事が大切です。

 

大切な相棒といつまでも共に歩むために、愛犬に躓きが出たらナックリングを疑い、早い段階で獣医さんに相談の上、適切にケアをしてあげてください。

 

きっとそれが愛犬との生活を少しでも長く楽しむ事に繋がります。

ナックリングに対処するグッズ

前述しましたが、ナックリングは、補助器具などのグッズである程度改善できる場合があります。

 

ナックリングに対応したグッズは様々販売されています。

 

もちろん手作りするのもひとつの手です。

 

そのためには、犬の身体の事をとことん調べなければなりません。

できれば市販のものを購入した方が安全で確実です。

 

ブーツやサポーターなど、愛犬の状態に合ったグッズを選び、適切に対応してあげましょう。
幸いな事に、ナックリング対応グッズには他の足先保護の効果が期待できるものもあり、老犬にはとても良いものが多いのが嬉しい点です。

 

ナックリングにはテーピングも有効なのですが、犬の場合、毛があるので、テーピングをするのは身体の構造上、あまり向かず、慣れないとなかなか難しいものがあります。

 

ナックリングにどうしてもテーピングで対応する場合は粘着面のないテーピング用のテープや、アンダーラップ(肌の保護用テープ)などを使用して、犬の毛を保護する必要があります。

 

くっつく包帯と似たような機能のテーピングが人間用に販売されていますし、肌の弱い人向けのアンダーラップも人間用に販売されています。

それらをうまく活用して対応することも可能ですが、あくまで応急処置としたほうが無難です。

人間用のモノを使用する場合、犬の足には指用のテーピングの方がサイズはしっくりきます。

アンダーラップはサイズの大きいものが多いのでカットして使用すると良いかもしれません。

ナックリングのサポートに特化したサポーター

ナックリングの対応にはやはり、ナックリングの改善に特化したサポーターをオススメします。

 

犬用のサポーターは膝関節や腰用のもの、それから褥瘡防止サポーターなど様々ですが、ナックリングは足先が丸まってしまうものなので、これを矯正し、地面にしっかりと肉球が接地するように調節する必要があります。

 

足の感覚が少しでも正常に戻ることが、ナックリング改善の道筋です。

 

足先の保護だけであればブーツや靴のほうが装着の容易さなどの面から見ても便利かもしれません。

ですが、症状自体を改善すると考えると、ナックリング専用のサポーターが最適です。

ナックリング専用のサポーターは丸まってしまう足先を正常な状態に矯正するサポーターです。

そして膝などの他の部位にはあまり影響しないような構造になっているものがほとんどです。

 

初期の段階で、応急処置としてのテーピングがうまくいき、改善された場合は良いのですが、効果があまりなかった場合、効果はあっても、まだ再発し、悪化する可能性のある場合は、ナックリングに特化したサポーターの導入を検討してください。

 

その中でも「ナックルン」はそれなりに販売期間も長い商品です。

ナックリングの矯正に特化したサポーターです。

 

お値段も他の専用商品よりは少し安めです。

ただし、装着がとても難しく、説明書も相当詳細に書かれている状態です。

スボラな人には向かないかもしれません。

マジックテープが多用されているのも使用感のマイナスポイントのようですが、正しく装着できた場合、ナックリングの改善があったという声はとても多い商品です。

少しお値段は張りますが「ワンソク」のほうが装着は簡単なようです。

介助ハーネスで足の接地を調整

ナックリングの症状を発見するのが早期であったり、軽度であったり、頻度が少ない場合は、介助ハーネスによって、足先の接地を飼い主さん側で調整し、足先が丸くなるのを防ぎながら歩行させる事で、肉球や足の腱や筋肉の感覚を取り戻させる事でナックリングの症状の改善が期待できる場合があります。

 

老犬のナックリングはほとんどの場合、後肢と前肢は別々の症状です。

また、丸まった足を調整する作業も、後肢前肢が別の方が調整しやすいことから、ナックリング対策を念頭に置いた歩行補助ハーネスは、前身と後身が別々のほうが圧倒的に扱いやすいです。

 

ナックリングの症状が出ている愛犬の歩行補助ハーネスは、前後ろでセパレートになっているものを選ぶのが良いでしょう。

 

ナックリングの症状は完全に補助したり、力を入れて補強してしまうと、感覚を取り戻す妨げになる場合があります


介助は行きすぎると筋力や感覚を取り戻すきっかけを奪ってしまいかねません。

 

あくまでも支持的な考えを持ち、できるだけ愛犬が自力で足先を元に戻す事を促していきましょう。

 

全介助は、犬自身の自己回復しようとする力と「できること」を奪い、寝たきりの時期を早めてしまう行為です。

ナックリングの症状を改善するための歩行補助ハーネスの使い道は、あくまで、助力程度でおさめるようにしたいものです。

ナックリングの補助をするためにはハーネスの持ち手は短く、シンプルな方が使いやすいです。

力点作用点が補助したい箇所に近いほどコントロールがしやすく、細やかな支持ができるからです。

ナックリングを起こす脚を保護した上でサポートするブーツ

ナックリングの症状が出た場合、最も心配になるのが足の甲や指先の擦り傷や打撲痕、脱毛などです。

 

足の甲を不自然に擦って歩いたり、指先が曲がってしまったりするので、これらの外傷は、ナックリングがあると起こりやすいのです。

 

これらが起こると、二次的に感染症を起こしたり、出血や膿が溜まるといった症状も出てきます。

 

ナックリングの症状がある場合、これらの外傷が起こる箇所を保護する必要もあるのです。

前述したサポーターやハーネスは、ナックリングの症状そのものを矯正する事にベクトルの寄ったグッズですが、二次的に起こる外傷を防ぐことにベクトルを寄せたのが、犬用の靴やブーツです。

 

アスファルトや雪道、砂利道から肉球を守る目的で作られた靴やブーツもありますが、ナックリングの症状がある場合は、ナックリングに対応した靴やブーツを選ぶべきでしょう。

 

ナックリングの頻度が高く、それでもお散歩に出たがる愛犬には、この靴やブーツを履かせてあげるのが良いかもしれません。また、歩行補助ハーネスとの併用で、症状の改善のほうもしっかりサポートできるかもしれません。

 

いずれにせよ、靴やブーツは嫌がる犬も多いのでもしも選択する場合は、早めに慣れてもらう方が良いです。

また、サイズが合わないと余計に危険であったりするので、靴のサイズにもしっかり気をつけてください。

マッサージでナックリングの症状を軽減

ナックリングは足の痛覚などの麻痺が見られますし、神経伝達がうまくいかなかったり、筋肉が凝り固まっているなどの原因が考えられます。

 

よって、足の感覚を少しでも回復させるようなマッサージは有効です。

 

かかりつけの獣医さんでも教えてくれるところはありますし、ドッグケアなどをしているサロンなどでも教えてくれるところもありますが、日々の軽い触れ合いのようなマッサージでも、小さな効果が見られる事があります。

 

開かなくなった指をそっと開くようにマッサージしてあげたり、丸まってしまった指先をゆっくりと元に戻すようにマッサージしたり、血行を促すように足を撫でてあげるなどで、愛犬は少し楽になります。

 

もちろん、足先は犬が触られて嫌なところです。

子犬の時から、足を触られるのに慣らしておく必要があります。

お散歩から帰ってきた時に足を拭くという習慣をつけて来た犬ならとても楽かもしれません。
優しく声をかけながら、マッサージをしてあげるという行為は、信頼関係の築けている飼い主さんと犬ならば、とても重要なターミナルケアのひとつになります。

ナックリングのケアをきっかけに、愛犬との時間に感謝と愛情を込めて、マッサージしてあげると、飼い主さんの心も落ち着きます。

相棒との大切な時間を保つためにも、マッサージはとてもよいかもしれません。

愛犬にできるだけ長く自分の脚で

ナックリングは老犬になれば、どんな犬でも発症する可能性のある症状で、発症した場合、躓きや転倒、足先の擦れなどによる外傷など、歩けなくなる要因がたくさん出てきます。

 

犬は最期まで自分の脚で歩きたい。

 

私自身はそう信じていますし、私も、いつまでも相棒といっしょに歩きたいと考えていました。

 

ナックリングの症状が出たら、適切に対応し、いずれ寝たきりになるその日をできるだけ、先延ばしにする。

自分の脚で飼い主さんの隣を歩くという事は、老犬の生活の質を向上させる大切な事だと思います。

愛犬と飼い主さんが見つめ合い、笑顔でお散歩をする姿を見るたびに、私は確信しています。


いずれ、愛犬は寝たきりになります。

寝たきりになった時も、犬は一生懸命脚を動かし、歩こうともがきます。

その姿を見た時の飼い主さんの後悔を少しでも減らしたい。

 

愛犬が脚を引きずっていたり、躓きが増えたり、歩き方に違和感を覚えたら、きちんと観察し、ナックリングが疑われたら獣医さんに相談の上、適切に対応していってください。

そうする事で僅かな間でも犬は自分の脚で歩く時間を増やす事ができます。

 

貴方と、貴方の愛犬ができるだけ長く、共に歩む事ができることを祈っています。